企業30年、労働40年、人生80年から企業10年、労働50年、人生100年への覚悟

企業の寿命が短くなり、労働年数と寿命が長くなるとはどういうことか考えてみました。

 

終身雇用と安定した人生設計

私が社会にデビューしたころ(1980年代)は、企業30年、労働40年、人生80年と言われてました。今は企業10年、労働50年、人生100年と聞くことが多いように思います。各々の長さは人により多少の違いはあっても、働く期間と人生は長くなり、企業は短くなっている、という現実を表現していると理解してます。つまり、社会に出て、会社に勤めると、安定した労働環境があり、定年まで勤め上げると後は退職金と年金で自分の人生を全うするというモデル、これが成り立たなくなっているのですね。それでも、社会全体でもう一度このモデルを成立させていこうと努力しているならば良いですが、どちらかといえば、無くなる方向に向かっているし、新しい時代の人たちは当たり前のように今の社会を受け入れ、働き方が変化しているようです。

職業と労働と寿命

働くにはその職業に適したスキルがあった方が良いです。企業の寿命が長い時代には、その職業に適したスキル、求められるスキルはほぼ決まってましたし、そのほとんどが業界の中にありました。企業は安定を保証する代わりに労働と忠誠を働く側に要求していました。しかし、1つの職業を続ける期間が短くなり、働く期間と寿命が長くなるなら、自分の知力、体力も考慮し、その時々で対応できるスキル、或いは、複数のスキルを持つようにならないといけません。逆にみれば、複数のスキルがあれば、どんな仕事をどれくらい続けるのかをその時々で決めてける時代になったともいえるのではないでしょうか。

1つの職業で自分を伝えることから、社会の中でどんな活動をしているかを伝える時代へ

働く環境と期間を自分で決め、その時々に必要なスキルを身につけていく。さらには自分の人生が長く使えるのなら、1つの会社・組織というコミュニティだけでなく、地域や仲間や趣味など、異なるコミュニティの空間が自然と広がってくることになります。そうなると自分という存在の発信の仕方も変わってきます。

「羽生さんはどんな仕事をされているの?」と聞かれ、「不動産業です」と答えると、一定の先入観をもって私を評価、イメージされてしまいますが、「不動産ビジネスを通して1人ビジネスのサポートや、幾つかの企業コンサルティング、人財教育も行い、地域の仲間とNPOを立ち上げたり、ネットでオンラインサロンを運営したりしてます」というと、もう何屋さんだかわからなくなりますが、これが今の職業観とでもいう感じなのでしょう。ということは、今自分が働いている業界のことだけでなく、他の業界や異なる社会などの事についても一生懸命学んでおく、体験しておく、ことが重要なんだと思います。